科研費(文科省・学振・厚労省)獲得実績 - 盆子原 康博
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新型複素モード解析を基盤とする自励系および非線形系の高性能振動解析システムの開発
研究課題/領域番号:17H03191 2017年04月 - 2020年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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手腕振動障害の発症率ゼロに挑む手持ち振動工具の実用化
研究課題/領域番号:15K05868 2015年04月 - 2018年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
盆子原 康博、近藤 孝広
担当区分:研究代表者
手持ち振動工具を使用する際,工具に発生した振動が手腕を介して人体に伝播することによって手腕振動障害と呼ばれる健康障害が発症することがある.この疾病を予防するためには,手腕振動ばく露量を低減する必要があるが,削岩機などの振動体内蔵工具に対しては十分な防振対策が難しく,近年でも建設業を中心に労災認定患者が多発している状況にある.本研究課題では,この問題を抜本的に解決するために,非線形力学系で発生する自己同期現象に着目し,手腕振動の低減と工具の機能とを同時実現するための同期振動発生機構の開発を行う.自己同期現象を利用すれば,複雑な制御を施すことなく,自律的に目的に適した振動パターンを発生させることができるので,手持ち振動工具の振動発生機構として利用できる可能性がある.本研究期間内では,振動ランマおよび電動ハンマに向けた同期振動発生機構の開発と合理的な最適設計法の確立を目指す.
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自励振動に対する動吸振器の動作原理の解明と合理的な最適設計法
研究課題/領域番号:24360091 2012年04月 - 2015年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
近年,自励振動に対する防止対策として,受動型の制振器機である動吸振器が注目されるようになって来た.自励振動に対する動吸振器は,適切に設計すると防振対象だけでなく動吸振器も全く振動しなくなるという特長を有している反面,動作原理が明確化されていないという学術上の大きな問題を抱えている.本研究では,自励振動に対する動吸振器の動作原理をエネルギー的見地から理論的に解明するとともに,合理的な最適設計法を開発する.
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手腕振動障害の発症リスク低減を目的とした同期振動発生機構の開発
研究課題/領域番号:24560262 2012年04月 - 2015年03月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
手持ち振動工具を使用する際,工具に発生した振動が手腕を介して人体に伝播することによって手腕振動障害と呼ばれる健康障害が発症することがある.この疾病を予防するためには,手腕振動ばく露量を低減する必要があるが,削岩機などの振動体内蔵工具に対しては十分な防振対策が難しく,近年でも建設業を中心に労災認定患者が多発している状況にある.本研究課題では,この問題を抜本的に解決するために,非線形力学系で発生する自己同期現象に着目し,手腕振動の低減化と工具の機能とを同時実現するための同期振動発生機構の開発を目指す.
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手持ち振動工具への応用に向けた同期振動発生機構の開発
研究課題/領域番号:22760173 2010年04月 - 2012年03月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
手腕振動障害の発症防止を目指して,振動ランマへの応用に向けた同期振動発生機構の開発を行った.まず,基本モデルを対象として,把持部の制振と打撃板の励振とを同時に実現可能な自己同期振動が発生することを確認した.さらに,より実用的な手持型実験装置を開発するとともに,砂の締め固め試験を行った.その結果,把持部の振動が目標より大きくなったものの,最適な同期振動を発生させることができ,砂の締め固めに成功した.
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大規模非線形系に対する高性能振動解析システムおよび最適モデルの実験的推定法の開発
研究課題/領域番号:19360109 2007年04月 - 2010年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
省エネ化・省資源化の実現に向けた限界設計の追求という最近の技術動向のもとで,設計段階における振動解析の必要性と重要性がより一層増大している.そのためには,より精密で実機に近い大規模自由度モデルに対する高精度の解析が不可欠である.そこで,拘束モードを利用する低次元化法を基盤として,システム内に不可避的に含まれる多種多様な非線形性をも考慮できる実用的な振動解析システムの開発を行った.
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接触回転系のパターン形成現象に対する動吸振器の最適設計法の開発とその実験的検証
研究課題/領域番号:17360108 2005年04月 - 2007年03月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
抄紙機や印刷機のような種々の接触回転系において,パターン形成現象がしばしば発生する.研究代表者らは,パターン形成現象の最も支配的な発生原因は線形時間遅れ系の不安定振動であるとみなし研究を行ってきた.その結果,多くのパターン形成現象が上記のメカニズムで説明可能であることが明らかになった.本研究では,実用的で取り扱いが容易なパターン形成現象の防止対策の確立を目指して下記に示す研究を行った.
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振り子型自励振動子群に発生する自己同期現象のメカニズムの解明
研究課題/領域番号:15760155 2003年04月 - 2005年03月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
本研究では,振り子状の台に2台のメトロノーム(自励振動子)が固定された全体結合振動子系に発生する自己同期現象について実験と解析の両面から検討を行った.まず,両振動子の固定台上での自励振動数(非線形固有振動数)と台の固有振動数との大小関係が自己同期解の存在領域に与える影響について調べた.その結果,振動子間の位相差が同位相となる安定同期解は同期振動数が台の固有振動数よりも大きい領域に存在し,位相差が逆位相となる安定同期解は同期振動数が台の固有振動数よりも小さい領域に存在した.また,どちらの解も同期振動数が振動子の非線形固有振動数の平均値に近い値となり,台の固有振動数に近いほど解の存在領域が広く現れた.これは,台の共振点付近では振動子間の相互作用の影響が大きくなり同期が起こりやすくなるためであり,発生する同期パターンも共振点前後の振動モードに依存していると考えられる.
次に,局所結合振動子系のモデルとして,DCモータによって回転するおもりを搭載した二つのブロック(質点)をばねで連結した実験装置を製作した.この装置では,モータに印加する電圧に応じて両モータが同期回転する現象が発生する.全体結合振動子系の場合と同様に,両モータの回転数と質点ばね系の固有振動数との大小関係が自己同期解の存在領域に与える影響について調べた.その結果,モータ間の位相差が同位相となる安定同期解は同期振動数が質点ばね系の固有振動数よりも大きい領域に存在し,位相差が逆位相となる安定同期解は同期振動数が質点ばね系の固有振動数よりも小さい領域に存在した.このように,安定同期解の存在領域や同期パターンに系のモード特性が関与している点は2つのモデルで共通しており,自己同期現象の本質の一つであるといえる.