論文 - 光田 靖
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国土数値情報を利用した土地利用形態の立地依存性の解析:宮崎県における事例研究
光田 靖, 伊藤 哲
国際景観生態学会日本支部会報 8 ( 2 ) 23 - 31 2003年
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:Japan Association for Landscape Ecology
Both the natural and social environments affect land-use patterns. We analyzed their effects on current landscape structure in Miyazaki Prefecture, southern Japan. A digital land-use map with 8 categories (paddy field, other agricultural field, woodland, devastated field, building, transport filed, golf field and other land-use) provided in the National Land Numerical Information was used for the landscape analysis. Forty-five regions (9 cities, 28 towns, 7 villages and whole prefecture) in Miyazaki Prefecture were classified by the cluster analysis using proportion of each land-use into 3 landscape types : "Urban-farm type", "Intermediate type", and "Mountainous forest type". This classification was well corresponded to the average elevation and slope of the regions. Among the four selected regions for detail analysis, Miyazaki City and Kobayashi City were classified as the Urban-farm type, Aya Town as Intermediate type, and Shiiba Village as Mountainous forest type, indicating correspondence of the social environment with landscape types. Further analysis of these four selected regions, using Jacob's electivity index in relation to the natural environments, revealed clear patterns of land-use habit : high electivity for intensive land-use (buildings, paddy field, and agricultural field) at lower elevation and gentle slope classes, and for less intensive land-use (woodland) at higher elevation and steep slope classes. Influence of slope on electivity was more evident than that of elevation. The analysis also showed slight different patterns of electivity between the regions even for the same land use in the same natural environments. This indicated the possible evidence of varying electivity influenced by different social environments. We concluded these results that the landscape structure and its interaction with the social environment would have been developed under strong constraints of the natural environment represented by topography in the studied area.
DOI: 10.5738/jale.8.23
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伊藤 哲, 光田 靖
日本林学会大会発表データベース 114 ( 0 ) 179 - 179 2003年
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林学会
生物多様性に対する地形的制約を考慮した上で、人工林地域における自然林の再配置のためのゾーニング方法を検討した.近距離種子散布型で地形依存度の高いハナガガシ(絶滅危惧種Ib)を指標種として、種子源および微地形のそれぞれを制約要因と仮定した場合の、自然林再生にともなう期待成立密度を解析した。その結果、種子源からの距離のみを考慮した場合と、微地形の効果も含めて考慮した場合の、自然林再生候補地のゾーニング結果は大きく異なっており、保全戦略の一つとしてのゾーニングで微地形を考慮することが非常に重要であることが示唆された。また、壮齢照葉樹林にける植生調査データを微地形に着目して解析し、面積-種多様度関係から潜在的な種多様性に対する微地形の重要度を検証した。その結果、種多様性の面からみると、小面積で保全効果を期待する場合は頂部・上部斜面の優先度が高いが、低頻度種を対象とする場合は下部斜面を比較的大きな面積で自然林化する必要があることが示唆された。
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光田 靖, 伊藤 哲
日本林学会大会発表データベース 114 ( 0 ) 172 - 172 2003年
記述言語:日本語 掲載種別:研究論文(学術雑誌) 出版者・発行元:日本森林学会
<B>1.はじめに</B>平成14年4月から適用されている新しい森林計画制度の中では,森林を重視すべき機能別に3区分し,この機能にあわせた施業を行うという方針が森林管理の基礎となっている.ここでいう3区分とは(1)水源涵養機能または山地災害防止機能を重視する「水土保全林」,(2)生活環境保全機能または保健文化機能を重視する「森林と人との共生林」,(3)木材等生産機能を重視する「資源の循環利用林」の3区分であり,属地的に定められることとなっている。このような森林の機能区分を行うことは,どこにどのような森林を育成するのかという森林の配置問題と等質であり,今後の森林管理を考えていく上で非常に重要な問題である.しかし,区分に際して明確な評価基準が提示されているわけではなく,実際に区分を決定する市町村や設定基準を定める都道府県の裁量によるところが大きい.そこで,本報告では自然的立地条件に基づく生態的立地区分によりゾーニングを行う方法を提唱する.これは人為的に改変しがたい自然的立地条件のみに着目し立地を評価して,この評価をもとに基準を設けて森林を区分して行く方法である.本報告はこの生態的立地区分によるゾーニングを行う上でのスケール概念の整理,実用方法の検討および問題点の確認を行うものである.また,本報告では広域にわたるゾーニングを想定しており,労力の点からGISを用いることが望ましい.よって,ここでは特にGISを用いたゾーニングについて検討する.<B>2.対象地および資料</B>研究対象地は宮崎県全域である.用いたデータは広域にわたり整備されていること,公表されていて入手が容易であることを考慮して,数値地図50m(標高),数値地図25,000(地図画像),国土数値情報気候値メッシュ,国土数値情報自然地形メッシュ,レーダー・アメダス観測雨量,自然環境GISおよび衛星画像を用いた.<B>3.方法</B>生態的立地区分によるゾーニングはカナダなどの一部の先進的な国では実用段階にあるものの,わが国においてはその概念が確立されていないのが現状である.そこで,どのような評価軸をもって生態的立地条件を評価すべきか,またそれぞれの評価軸についてどのような評価因子をもって指標すべきかということについて検討を行った.本報告では生態的ゾーニングに適したスケールをメソ・スケールとして,その解像度を50mメッシュとした.この50mという解析解像度について,データ・ソースの観点から若干の検討を行う.また,ゾーニングの対象スケールを宮崎県全県としたが,この妥当性についても検討した.<B>4.結果および考察</B>生態的立地区分のための評価軸として,林地生産性,山地崩壊危険性および保全対象群落成立可能性を設定した.これらはポテンシャル概念的な必要度や期待度といった評価軸である.これらの評価軸について自然的立地条件のみにより規定される因子を評価因子として設定した.林地生産性に関してはスギ林地位指数を,山地崩壊危険性については地質,地形および降雨を,さらに保全対象群落成立可能に関しては温量指数を用いた.これらの評価因子に関しては,今回試行的に用いたものでありそのモデルの詳細に関しては適用に合わせた検討が必要である.しかし,今回のように土地の生産性および安定性に着目した評価因子の設定は有効であると考えられる.対象を宮崎県全域として先の3区分にゾーニングした。その結果,全県同一基準でゾーニングすると地域間で大きな偏りが生じることとなった.一方で,元来の自然立地条件に影響され,土地利用タイプ別の立地選択性は異なる.たとえば,宮崎市と椎葉村を比較した場合,標高クラスが4以上の土地に関して宮崎市では田,畑および建設用地としてほとんど利用しないのに対し,椎葉村では積極的に田畑に利用している.このような元来の自然的立地条件の違いを考えると,ゾーニングの対象として全県レベルではなく,ある地域を設定してそのなかでゾーニングを行う必要があることが示唆された.
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Effects of competitive and cooperative interaction among neighboring trees on tree growth in a naturally regenerated even-agedLarix sibirica stand in considering height stratification 査読あり
Yasushi Mitsuda,Satoshi Ito,Katsuhiko Takata
Journal of Forest Research 7 ( 4 ) 185 - 191 2002年11月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
DOI: 10.1007/BF02763131
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Use of GIS-derived environmental factors in predicting site indices in Japanese larch plantations in Hokkaido 査読あり
Yasushi Mitsuda,Shigejiro Yoshida,Morio Imada
Journal of Forest Research 6 ( 2 ) 87 - 93 2001年5月
記述言語:英語 掲載種別:研究論文(学術雑誌)
DOI: 10.1007/BF02762493