講演・口頭発表等 - 篠原 慶規
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阿蘇中央火口丘における崩壊地分布の特徴 -3豪雨イベント間の比較-
矢野敦久,篠原慶規,久保田哲也
砂防学会研究発表会
開催年月日: 2017年5月25日
記述言語:日本語 会議種別:口頭発表(一般)
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雲仙普賢岳水無川流域における土石流発生メカニズムの解明に向けて
篠原慶規,經隆悠,堀田紀文,北本楽,植野利康,光武久修
砂防学会研究発表会
開催年月日: 2017年5月24日
記述言語:日本語 会議種別:ポスター発表
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Determining Accuracy of Thermal Dissipation Methods-based Sap Flux in Japanese Cedar Trees
MP Su, Y Shinohara, S Laplace, SJ Lin, T Kume
EGU General Assembly 2017
開催年月日: 2017年4月23日 - 2017年4月28日
記述言語:英語 会議種別:ポスター発表
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降雨強度と樹種の違いが樹幹流量に及ぼす影響―人工降雨実験に基づいた検討―
飯田 真一, Delphis F. Levia, 南光 一樹, Xinchao Sun, 篠原 慶規, 酒井 直樹
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2017年
記述言語:日本語
樹体表面を流下する樹幹流は樹木の地際周辺に集中的に浸透するため、地下水涵養プロセス(Tanaka et al., 1996, Hydrol. Process.)や土壌水分の分布(Liang et al., 2007, Vadose Zone J.)に多大な影響を与える重要な水文過程である。しかし、樹幹流の降雨強度に対する応答についてはいまだ不明な点が多い。その理由として、自然条件下の降雨強度は刻一刻と変化するため、降雨強度そのものの影響を抽出しにくいことが挙げられる。本研究では、防災科学技術研究所の大型人工降雨実験装置を用いて、降雨強度を任意に変化させながら樹幹流の応答を実測した。対象樹種はスギ、ヒノキ、ケヤキ、ブナであり、樹高は約3~6mである。降雨開始からの積算雨量が30㎜に達するまでに発生した総樹幹流量は、降雨強度とともに増加する個体もあれば、減少する個体もあることが明らかとなった。このことは、降雨強度とともに樹幹流の流路を発達させ雨水を効率的に流下させることができる個体と、流路を発達させずに過剰な雨水を滴下させる個体が存在することを示唆している。
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Rainfall partitioning in an unmanaged dense stand for Japanese cypress (<i>Chamaecyparis obtusa</i>)
Seonghun Jeong, Kyoichi Otsuki, Akio Inoue, Ayumi Katayama, Yoshinori Shinohara, Masaaki Chiwa
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2017年
記述言語:英語
We monitored the partitioning of gross rainfall (P<sub>g</sub>) into throughfall (TF), stemflow (SF) and interception loss (I<sub>c</sub>) in a 20 m Χ 10 m plot at the 32 years old non-managed plantation of Japanese cypress (<i>Chamaecyparis obtusa</i>) (2,500 trees ha<sup>-1</sup>) in Fukuoka, Japan. The results showed that P<sub>g</sub>, TF and SF were 1757.4 mm, 1018.8 mm (58.0 %), 303.8 mm (17.3 %), respectively, which resulted in I<sub>c</sub> of 434.8 mm (24.7 %). Although I<sub>c</sub> ratio was comparable to those reported in previous studies in mature Japanese cypress stands (30 data set), SF ratio was the largest. We assumed that TF was diverted to SF when dropping from canopy due to the unpruned dense dead branches in this stand.
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篠原 慶規, 飯田 真一, 小田 智基, 片山 歩美, 蘇 曼萍, Sophie Laplace, 久米 朋宣
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2017年
記述言語:日本語
森林からの蒸散量を推定する際、樹液流計測法がしばしば用いられ、その代表例の1つにグラニエ法がある。グラニエ法では、樹木の辺材部に挿入したセンサーの出力値を樹液流速に換算する際、全樹種共通で利用可能なキャリブレーション式が用いられている。しかし近年、このキャリブレーション式を用いた場合、樹種によっては、実際の樹液流速を過小評価する可能性が指摘され始めている。本研究では、日本の最も代表的な樹種であるスギを用いて、このキャリブレーション式の精度を検証することを目的とした。森林総合研究所(茨城県つくば市)、東京大学千葉演習林(千葉県鴨川市)、九州大学福岡演習林(福岡県篠栗町)、国立台湾大学(台湾南投県)で直径10 cm程度のスギを計13本採取し、センサーを4方向に挿入し、真空ポンプを使って強制的に通水させ、キャリブレーション式の検証を行なった。その結果、既往のキャリブレーション式を用いた場合、すべての木で樹液流速を過小評価していた。そのため、グラニエ法に基づいて算出されたスギの蒸散量は、実際の蒸散量を過小評価している可能性が高いと考えられる。
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平岡 真合乃, 篠原 慶規, 正岡 直也, 福島 慶太郎, 五味 高志
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2017年
記述言語:日本語
森林斜面における浸透過程の把握は、土壌層を介した水循環や水文過程を評価する上で重要である。本研究では、竹林の根系分布と水の鉛直浸透や斜面方向の移動との関連性を把握した。京都府大山崎町天王山のモウソウチク林(稈密度8706本/ha)で散水試験を行い、稈からの距離の異なる2箇所の土層内3深度における土壌水分量の経時変化を評価した。区画の断面観察から、細根(直径<1cm)は地表から深度10cmまで、地下茎(直径>1cm)は深度30cmまでの分布が確認され、それ以深ではいずれも確認できなかった。散水開始から16時間後までの各土層における最大含水率とそれに至る経時変化から、土壌表層付近と深部では最大値や経時変化が同程度であり、比較的均質な土壌特性を有していると考えられた。一方、深度25cm付近では、地下茎の分布等によって含水率や流出応答が異なる可能性が考えられた。また、含水率の経時変化から、降雨時の土壌水分量の応答は稈からの距離によって異なる可能性が考えられた。本研究結果から、竹林では地表へ到達した水は樹冠通過雨や樹幹流に関わらず、地表の細根層に到達し、ここで斜面方向の早い流れの成分に分けられる可能性が明らかとなった。
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Rainfall partitioning in an unmanaged dense stand for Japanese cypress (Chamaecyparis obtusa)
Seonghun Jeong, Kyoichi Otsuki, Akio Inoue, Ayumi Katayama, Yoshinori Shinohara, Masaaki Chiwa
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2017年
記述言語:英語 会議種別:口頭発表(一般)
We monitored the partitioning of gross rainfall (Pg) into throughfall (TF), stemflow (SF) and interception loss (Ic) in a 20 m Χ 10 m plot at the 32 years old non-managed plantation of Japanese cypress (Chamaecyparis obtusa) (2,500 trees ha-1) in Fukuoka, Japan. The results showed that Pg, TF and SF were 1757.4 mm, 1018.8 mm (58.0 %), 303.8 mm (17.3 %), respectively, which resulted in Ic of 434.8 mm (24.7 %). Although Ic ratio was comparable to those reported in previous studies in mature Japanese cypress stands (30 data set), SF ratio was the largest. We assumed that TF was diverted to SF when dropping from canopy due to the unpruned dense dead branches in this stand.
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針葉樹人工林の地上部バイオマスと表層崩壊の関係ー1993年豪雨時の宮崎県椎葉村における解析ー 国際会議
矢野 敦久, 篠原 慶規, 久保田 哲也
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2016年
記述言語:日本語
森林成長に伴い、根系が発達し、森林の表層崩壊抑制機能が向上することが知られている。この関係を調べる際、森林成長の指標として林齢が用いられてきた。根系(地下部バイオマス)との関連性が林齢よりも強いと予想される地上部バイオマスを用いた方が、森林成長に伴う表層崩壊抑制機能の変化をより的確に表現できる可能性がある。そこで本研究では、この可能性を検証することを目的とした。本研究は、九州大学宮崎演習林内の大藪川流域で1993年9月の豪雨により発生した表層崩壊を対象とした。小班毎の地上部バイオマスと崩壊面積率の関係を調べた結果、地上部バイオマスが増加するにつれて崩壊面積率が指数関数的に減少する傾向が見られた。表層崩壊の発生には地形の影響が大きく関わるため、地形要因を含めたロジスティック回帰分析を行った。地形のみ、地形+地上部バイオマス、地形+林齢の3タイプのモデル間で、AICとROC曲線のAUCに基づいた比較を行った結果、地上部バイオマスを用いた場合と林齢を用いた場合で大きな違いはなかった。このことから、林齢の代わりに地上部バイオマスを用いても、予測精度の向上は期待できないと考えられる。
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モウソウチク林における土壌染色実験-浸透過程の可視化- 国際会議
篠原 慶規, 平岡 真合乃, 五味 高志
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2016年
記述言語:日本語
近年,モウソウチクの拡大が日本各地で報告されており,それに伴う水土保全機能の低下が懸念されている。表層崩壊発生や水資源貯留,植物成長と密接に関わる降雨の浸透過程は,植物根系の分布や構造と密接に関連している。この関連性について,草本や樹木を対象として研究が進められてきたものの,独特の地下茎構造を持つタケでは十分に調べられていない。本研究では,静岡県藤枝市滝沢の傾斜約40度のモウソウチク林3箇所において,染色液(Brilliant Blue溶液)を53-95 mm h<sup>-1</sup>で30分間散水した後,側面の断面を掘削し,鉛直方向と斜面方向の浸透過程を観察すると共に,選択流の存在の有無を確認した。モウソウチク林の地表は,厚さ5 cm程度のルートマットで覆われており,鉛直浸透より斜面方向の水移動が卓越していた。ルートマットより下層の土壌についても,一部,染色域が見られたが,深さ30 cmまでに点在した地下茎(直径3 cm程度)の位置とは対応していなかった。このことから,ルートマット内を斜面方向に流れる水の一部は,ルートマット内の切れ目等から土壌下層へ浸透するものの,地下茎が主たる浸透経路とはなっていないことが推察された。
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様々な放置年数の作業道における路面凹凸とその発生要因 国際会議
篠原 慶規, 増田 治美, 久保田 哲也
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2015年
記述言語:日本語
近年,森林管理における路網の重要性が見直されてきており,その整備が進みつつある。しかし,作業道において,長期的な路面侵食量やその要因を調べた研究はほとんどない。本研究では,放置された年数や地形条件などが異なる,福岡県内の作業道7路線で路面凹凸を比較した。それぞれの路線の8~25横断面,計101横断面で計測を行い,平均侵食深(dave)と最大侵食深(dmax)を算出した。各路線のdaveの平均値(Dave)は,比較的放置年数が短い路線ではばらつきが大きかったものの,比較的放置期間が長い路線では,放置期間が長いほうが,その値は大きくなる傾向があった。また,路線内で各横断面のdaveの違いを生み出す要因を調べたところ,比較的放置年数が長い路線では,各横断面の路面傾斜とdaveの間に正の関係が見られた。路面傾斜と年平均dave(dave /放置年数)の関係は,これらの路線で大きな違いはなかった。このことから,長期的に見ると,年平均の路面侵食量は,作設方法によらず路面傾斜によって一義的に決まる可能性がある。今後は,本研究とは異なる地形・地質学的条件,気象条件で同様のことが検証されることが望まれる。
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白山麓スギ林における雪の樹冠遮断量 国際会議
小倉 晃, 高瀬 恵次, 伊藤 優子, 篠原 慶規, 大槻 恭一, 丸山 利輔
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2015年
記述言語:日本語
森林の水循環に関する研究は数多く行われ,降雨についての水循環は研究が進んでいる。しかし,北陸地域でのその測定事例は少なく十分とは言えず,降雪・積雪・融雪の水循環についてはほとんど研究されていない。また,スギ林の雨の樹冠遮断については数多く研究されているが,雪の樹冠遮断の研究事例は数が少ない。そこで,石川県林業試験場(白山市三宮町)に隣接する約70年生のスギ人工林において,雨と雪の樹冠遮断量について2008から2014年度に測定したので,測定結果について報告する。各年度の最大積雪深は2008年度66.9cm,2009年度150.2cm,2010年度238.7cm,2011年度166.7cm,2012年度86.8cm,2013年度70.9cmである。このように多雪の年もあれば小雪の年もあった。測定の結果,間伐前の降雨期の樹冠遮断率は15%程度で,これは日本の針葉樹の平均的な樹冠遮断量と一致した。降雪期の雪の樹冠遮断率は降雨期に比べ10%程度多くなった。これは雪が樹冠に留まっている時間が雨よりも長いために降雨期よりも多く蒸発したと考えられる。2011年11月の間伐後の樹冠通過率は5%程度多くなり,雪の場合も同等であった。なお,2010年度は一部正確に測定できなかった。
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スギ人工林における間伐後の蒸散量と遮断蒸発量の変化 国際会議
篠原 慶規, 小松 光, 鶴田 健二, 野方 麻里, 大槻 恭一
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会
開催年月日: 2014年
記述言語:日本語
スギ人工林において,蒸発散の主要な構成要素である蒸散量と遮断蒸発量を観測し,間伐前後で比較を行った。 九州大学福岡演習林(福岡県糟屋郡篠栗町)の山の神サイトに,10 m×10 mの試験プロットを2か所設定し,それぞれ蒸散量と遮断蒸発量の観測に用いた。山の神サイトは,2010年の時点で,39年生のスギ人工林で覆われていた。蒸散量観測プロットにおける間伐前の立木密度は1100本 / ha,平均直径は28.9 cm,平均樹高は28.9 m,胸高断面積合計は28.9 m<sup>2</sup> ha<sup>-1</sup>,葉面積指数は4.7であり,遮断蒸発量観測プロットもほぼ同様であった。本試験地では,2010年10月に間伐が行われ,本数,胸高断面積合計で約50%のスギが伐採された。蒸散量は,樹液流計測法を用いて観測した。遮断蒸発量は,林外で観測した降水量から林内で観測した樹冠通過雨量と樹幹流量を引くことで算出した。間伐後の蒸散量は間伐前の56%となった。 間伐後の遮断蒸発率は間伐前の57%となった。蒸散と遮断蒸発は,森林の蒸発散の主要な構成要素であることから,間伐は,蒸発散量を減少させ,水資源量を増加させる上で有効な手段であると考えられる。
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篠原 慶規
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2014年
記述言語:日本語
近年,西日本を中心としてモウソウチク林の拡大が報告されている。著者は,共同研究者と共に,モウソウチク林の拡大が,森林の公益的機能に与える影響を解明すべく研究を行っている。その一環として,蒸発散の主要な要素となる遮断蒸発量についても,モウソウチク林において計測を行い,他のモウソウチク林の計測結果,他の森林タイプの計測結果と比較を行った。著者らの計測結果も含め,国内のモウソウチク林の遮断蒸発量の計測例は3例存在する。これらの3つのモウソウチク林の林分構造(立木密度など)は異なるが,遮断蒸発量が降水量に占める割合である遮断蒸発率は,どのモウソウチク林でも概ね10%となり,他の森林タイプで計測された遮断蒸発率よりも小さかった。このことから,モウソウチク林は,その特有な樹冠構造が遮断蒸発量を小さくしていると考えられる。このことは,遮断蒸発のメカニズムを議論する上で有用な情報となろう。
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任意の地点における流出量の推定-地質と蒸発散を考慮して- 国際会議
篠原 慶規
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2013年
記述言語:日本語
水資源量や洪水発生の予測などを行う際、しばしば水文モデルが用いられる。しかし山地流域では、多くの場合、利用できるデータの種類や時間分解能に制約があり、水文モデルを構築する上で、十分なデータが利用可能な場合は多くない。本発表では、発表者らが取り組んできた、利用できるデータの種類や時間分解能に制約がある場所における水文モデルの適用例について紹介する。本発表では、まず、気温と降水量のみから積雪量、融雪量を推定する方法について、北海道札幌市のデータを用いて行った例を紹介する。次に、多雪地帯である富山県黒部ダム集水域において、気温と降水量のみから融雪流出モデルを構築し、日単位の流出量を再現した例を紹介する。さらに、同流域で行われた、月単位のデータから確率分布を用いて疑似日データを作成し日流量の確率密度関数を推定した試みを紹介する。最後に、既往の気象データや流量データが全く得られない場合、気温から推定される蒸発散量と地質のみから流量が推定可能かどうかについて言及する。
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水文・水資源学会研究グループ「森林水文学を考える若手研究者の会」活動報告ー第3回森林水文学を考える若手研究者の会- 国際会議
五名 美江, 篠原 慶規, 小田 智基, 山川 陽祐, 正岡 直也, 若原 妙子, 長谷川 規隆, 鶴田 健二, 平岡 真合乃, 飯田 真一
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会
開催年月日: 2013年
記述言語:日本語
水文・水資源学は物理的・化学的・生物学的・社会学的側面を持つ学際的な学問であり、それぞれの分野においても、さらに細分化が進んでいる。一方で、森林と水循環に関わる分野に対する社会的な期待は高まっており、この分野に関する研究を志す学生や若手研究者は、将来展望をもって分野内外の現実的な課題やその他の研究課題に取り組む必要があると考える。森林水文学および関連分野の将来を担う学生および若手研究者が研究発表および討論を行う場を提供し、若手間の交流を図るとともに、これからの森林水文学について考え、各自の将来の展望や進むべき方向性を見出すために必要な情報を共有することを目的とし、「第3回 森林水文学を考える若手研究者の会」を2012年12月2日に東京大学生態水文学研究所赤津宿泊施設において開催した。その活動報告を行う。
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石川県白山麓スギ林における雪の樹冠遮断量 国際会議
小倉 晃, 篠原 慶規, 能登 史和, 大槻 恭一, 丸山 利輔
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会
開催年月日: 2013年
記述言語:日本語
森林の水循環に関する研究は数多く行われ,降雨についての水循環は研究が進んでいる.しかし,北陸地域でのその測定事例は少なく十分とは言えない.また,森林域における降雪・積雪・融雪の水循環についてはほとんど研究されていない.また、スギ林の雨の樹冠遮断は数多く研究されているが、雪の樹冠遮断の研究事例は数が少ない。そこで、日本の造林面積が最も多いスギ林の雪の樹冠遮断量を2008から2012年度に測定したので、測定結果について報告する。各年度の冬期の特徴は次のとおりである。2008年度は最大積雪深が66.9cmで、測定期間以外に降雪は無かった。2009年度は最大積雪深が150.2cmで、1降雪が雨から雪、雪から雨となった。2010年度は最大積雪深が238.7cmで1月は気温が低く湿った雪でなく乾いた雪が比較的多く降った。また、樹冠の雪は2月14日までずっと見ることができた。2011年度は最大積雪深が166.7cmで、測定期間の前半は気温が高かったが、後半は気温が低めであった。2012年度は最大積雪深が86.8cmで11月から冬型の気候は続いたが、途中降雨も多く、比較的小雪となった。また、2011年11月に間伐を行った。測定の結果、降雨期の樹冠遮断量は間伐前が15%程度で、これは日本の針葉樹の平均的な樹冠遮断量と一致した。また、間伐の影響によって5%程通過雨量が多くなった。降雪期の雪の樹冠遮断率は降雨期に比べ10%程度多くなった。これは雪が樹冠に留まっている時間が雨よりも長いために降雨期よりも多く蒸発したと考えられる。また、間伐の雪の遮断率の影響も雨と同じで5%程度通過雨量が多くなった。なお、2010年度は正確に測定できなかったので結果から除いた。
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スギ人工林における,樹液流速の樹幹内変動 国際会議
篠原 慶規, 鶴田 健二, 小倉 晃, 能登 史和, 大槻 恭一, 丸山 利輔
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2011年
記述言語:日本語
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スギ人工林の樹液流特性の地域間差:―台湾南投、九州福岡、本州石川の比較 国際会議
久米 朋宣, 篠原 慶規, 邱 湞瑋, 野方 麻里, 曾 涵, 小松 光, 大槻 恭一
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2011年
記述言語:日本語
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モウソウチク林における地表流とバイオマットフローの観測 国際会議
篠原 慶規, 藏本 康平, 小松 光, 井手 淳一郎, 大槻 恭一
日本森林学会大会発表データベース 日本森林学会
開催年月日: 2011年
記述言語:日本語