MISC - 平野 羊嗣
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統合失調症患者に対するメタ認知トレーニング
平野羊嗣
精神科臨床Legato 9 ( 3 ) 2023年
担当区分:筆頭著者, 責任著者 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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台湾精神医学の発展と日本のかかわり 台大醫院精神部五十年紀要・日治時代精神病學史より 査読あり 国際共著
平野 羊嗣, 王 百慧, 謝 明憲, 黄 宗正, 黒木 俊秀, 神庭 重信
精神神経学雑誌 121 ( 5 ) 356 - 365 2019年5月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(公社)日本精神神経学会
国立台湾大学医学部精神科が1996年に出版した「台大醫院精神部五十年紀要」に掲載された日治時代精神病學史について翻訳を行い,他の資料より情報を追加したうえで,若干の解説を加えた.国立台湾大学(臺灣大學)は,7番目の帝国大学として,1928年に台北帝国大学(臺北帝國大學)として設立され,終戦後に現在の国立台湾大学に改名された.台北帝国大学時代,3人の高名な精神科医(中村讓,竹内八和太,中脩三)が台湾の精神医学の創成期に活躍し,その礎を築いた.台湾の精神医学は終戦とともに台湾初の精神科教授である林宗義に継承され,今日まで発展を遂げている.紀要には,日治時代の台湾における当時の授業の様子と,同国の精神医療の事始めの状況が克明に記録されている.これまで,日治時代の台湾の精神医学・医療の状況は,風祭や橋本らが報告しているが,本資料は現代の台湾の精神医学者による精神医学史という点で意義深く思われる.(著者抄録)
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【支援】統合失調症患者に対するメタ認知トレーニング 招待あり
平野羊嗣
精神科臨床Lagato 9 ( 3 ) 37 - 41 2023年12月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
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【聴覚とその異常-up to date】病態と治療 統合失調症における幻聴と聴覚皮質の活動について 幻聴の発生機序と幻聴緩和治療の可能性 招待あり
光藤 崇子, 平野 羊嗣, 鬼塚 俊明
Clinical Neuroscience 41 ( 6 ) 841 - 846 2023年6月
記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(株)中外医学社
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精神疾患の神経生理学的知見─統合失調症の神経振動異常を中心に─ 招待あり 査読あり
三笘良, 平野羊嗣
日本生物学的精神医学会誌 34 ( 1 ) 30 - 37 2023年3月
担当区分:最終著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本生物学的精神医学会
統合失調症をはじめとした精神疾患では病態解明や介入手段の確立をめざして,各領域でさまざまなアプローチが試みられてきた。神経生理学研究においても数多くの指標に着目した報告があるが,なかでも神経振動は特に有望なバイオマーカーの候補と目されている。神経振動は脳内における興奮性と抑制性の伝達物質のバランスを基盤として,脳内情報伝達を担うリズミカルな皮質電気活動であり,統合失調症においても聴覚定常反応課題をはじめとして一貫性のある異常所見が得られている。また,ベースラインの自発振動と課題刺激で賦活された振動との間で十分な切り替えがなされないことも,計算論的神経科学の観点から説明が可能な統合失調症の特徴として指摘されている。神経振動は基礎と臨床を繋ぐトランスレーショナル・リサーチを可能にするだけでなく,今後は大規模データ解析によってもますます発展が見込まれている。(著者抄録)
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若年性ミオクロニーてんかんにおける聴性,および体性感覚性定常状態反応の異常
三笘良, 田村俊介, 光藤貴子, 成儒彬, 重藤寛史, 重藤寛史, 平野羊嗣, 平野昭吾, 中尾智博
てんかん研究 41 ( 2 ) 2023年
掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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統合失調症における脳の側性化の変化:VBMによる大規模比較研究 招待あり
五十嵐裕幸, 宮田淳, 孫樹洛, 根本清貴, 橋本亮太, 橋本亮太, 三浦健一郎, 松本純弥, 福永雅喜, 藤本美智子, 笠井清登, 高橋努, 平野羊嗣, 松原敏郎, 山本真江里, 大井一高, 橋本直樹
日本生物学的精神医学会(Web) 45th 2023年
掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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【精神疾患診療】目でみる精神疾患 『アール・ブリュット』 招待あり 査読あり
平野羊嗣
日本医師会雑誌 151 ( 特別2 ) S13 - S13 2022年10月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(公社)日本医師会
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【表現活動と芸術療法】アール・ブリュット 招待あり
平野羊嗣, 保坂健二朗
精神科治療学 37 ( 9 ) 995 - 1002 2022年9月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(株)星和書店
「アール・ブリュット(art brut)」とは、フランス語で「生の芸術」を意味する。従来の美術の根幹を成していた倫理的な基準や原理に疑問を投げかけたフランスの画家、ジャン・デュビュッフェによって提唱され、古典的芸術や既存の美術潮流からはかけ離れた、芸術的文化によって傷つけられていない人たちによる、自身の内なる衝動から生まれた、全く純粋な生の芸術活動のことを示す。作者の多くは精神疾患を有し、彼らの「精神内界の表出」とも言える模倣なき独創性に溢れたその作品は、見る者の心を揺さぶる。本稿では、精神科医(平野)とアール・ブリュットの専門家(保坂)が、アール・ブリュットの背景や歴史を振り返るとともに、精神科におけるアール・ブリュットの意義や課題、今後の展望について述べる。(著者抄録)
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てんかん外科術後にde novo精神病を呈した3症例
三苫 良, 下川 能史, 迎 伸孝, 酒井 康成, 重藤 寛史, 酒田 あゆみ, 渡邊 恵利子, 平野 昭吾, 平野 羊嗣
てんかん研究 40 ( 2 ) 464 - 464 2022年8月
記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(一社)日本てんかん学会
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Psychiatric Lecture 統合失調症における新たな病態メカニズム NMDA受容体とガンマオシレーション異常 病態
平野 羊嗣
精神科臨床Legato 8 ( 2 ) 96 - 102 2022年8月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(株)メディカルレビュー社
統合失調症の病態解明と新規治療法の開発は喫緊の課題であり、古典的ドーパミン仮説を超えたNMDA受容体機能低下仮説などの新たな病態仮説の検証と、トランスレーショナルリサーチ(TR)に有用な生物学的指標の同定が必要である。統合失調症のガンマオシレーションの異常は、同疾患のNMDA受容体機能異常を反映し、TRに有用であることがわかってきた。本稿では、本指標のTRにおける有用性や今後の展望について概観した。(著者抄録)
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Topics Q&A うつ病と宗教信仰の関係について教えてください
平野 羊嗣
Depression Journal 10 ( 2 ) 56 - 57 2022年8月
記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(株)メディカルレビュー社
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【藝術と精神医学】精神医学とアール・ブリュット 招待あり 査読あり
平野羊嗣
最新精神医学 27 ( 4 ) 257 - 263 2022年7月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(株)世論時報社
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精神現象の可視化 ガンマオシレーションを軸にした統合失調症の病態解明と治療 招待あり
平野 羊嗣
日本生物学的精神医学会誌 33 ( 1 ) 26 - 34 2022年3月
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:日本生物学的精神医学会
科学の長足の進歩にもかかわらず,現在の精神疾患の診断は,いわば症状の羅列に依拠しており,身体疾患のように明確に可視化できるようなバイオマーカーは依然として存在しない。ましてや,未だに謎の多い統合失調症に関してはなおさらである。一方で,近年の研究によって,統合失調症の病態基盤の背景に,脳内の律動的な活動であるニューラルオシレーションの中でもより高周波のγオシレーションの異常がかかわっているとする一貫した証左が得られている。このγオシレーションは,脳波や脳磁図で比較的簡便に測定可能で,刻々と変化する生体内の脳活動を高い時間分解能で可視化する際の指標として最適である。その生成メカニズムも基礎研究により解明されており,トランスレーショナルリサーチにも向いているとされる。つまりγオシレーションは,統合失調症の変化に富んだ異常な脳内現象や精神現象を可視化するには最適な機能的指標である。本稿ではγオシレーションを軸にした統合失調症の精神現象の可視化を通じて,いかにその病態解明に迫り,新規治療法開発へつなげるか,その戦略と課題を展望した。(著者抄録)
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海馬回旋異常における構造的MRIの特徴の検討
向野隆彦, 山口高弘, 岡留敏樹, 山田絵美, 太田真理, 三苫良, 光藤崇子, 田村俊介, 平野羊嗣, 栂尾理, 萩原綱一, 磯部紀子, 重藤寛史
てんかん研究 40 ( 2 ) 2022年
掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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治療抵抗性うつ病に対する経頭蓋磁気刺激後の機能的結合性の変化
三笘良, 田村俊介, 立石洋, 門司晃, 平野羊嗣
九州神経精神医学 67 ( 3/4 ) 2022年
掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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PCN Art Brut Series No. 23, Artwork Description. 国際誌
Yoji Hirano, Kenjiro Hosaka
Psychiatry and clinical neurosciences 75 ( 10 ) 325 - 325 2021年10月
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精神医学とアール・ブリュットが交差する時:PCNアール・ブリュットシリーズを通じて
平野羊嗣
日本精神神経学会総会プログラム・抄録集 117th ( 2021特別号 ) S418 - S418 2021年
記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(公社)日本精神神経学会
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精神病ハイリスク群における視覚P300の縦断的評価:事象関連電位研究
織部直弥, 織部直弥, 平野羊嗣, 上野雄文, 上野雄文, 鬼塚俊明
精神神経学雑誌 123 ( 10 ) 629 - 639 2021年
記述言語:日本語 掲載種別:速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) 出版者・発行元:(公社)日本精神神経学会
【目的】われわれはこれまでに,初発統合失調症患者において,視覚オッドボール課題におけるP300とN200の異常と,1年間の追跡調査でP300振幅の進行性の低下を報告してきた.ハイリスク群(CHR)の対象者でもP300の振幅減少と正常なP1/N1が観察されたが,これらの成分が経時的に変化するかどうかは不明である.本研究では,CHRにおける視覚P300,P1,N1,N200を縦断的に評価した.【方法】CHR(n=19)と健常対照群(HC,n=28)を対象に,ベースライン時と1年後のフォローアップ時の2回,視覚事象関連電位(ERP)を記録した.参加者は64チャンネルの脳波を記録しながら,スクリーン上に呈示された標準刺激('y')のうち,頻度の低い標的刺激('x')を無言で数えた.【結果】本研究では,ベースライン時から1年後のフォローアップ時までに統合失調症を発症したCHRはいなかった.両時点でCHRでは,HCと比較して視覚P300振幅が減少し,潜時が有意に遅延していた.さらに,陽性症状のより増悪していたCHR被験者では,両時点で振幅の低下が認められた.P1,N1,N200は群間で差がなかった.【結論】CHRでは視覚刺激に対するP300振幅の低下が認められた.なお,この所見は,1年後のフォローアップ時までには精神病に移行しなかった被験者におけるものである.視覚P300振幅と症状が関連しているということは,視覚P300が,CHRの臨床症状の背景にある病態生理学的障害を反映する重要な指標である可能性を示唆している.(著者抄録)
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統合失調症におけるNMDA受容体とガンマオシレーション異常(特集:NMDA受容体と精神疾患) 招待あり 査読あり
平野羊嗣
医学のあゆみ 277 ( 11 ) 953 - 959 2021年
担当区分:筆頭著者, 責任著者 記述言語:日本語 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:医歯薬出版(株)
神経科学の飛躍的な進歩にもかかわらず、統合失調症の病因はいまだに不明で、古典的なドパミン仮説に基づいた現在のドパミン拮抗薬では完治に至らないことも多く、同疾患の病態解明および新薬の開発は緊急の課題である。その課題の克服のためには、新たな病態仮説の検証と、臨床と基礎研究の橋渡しが可能な生物学的指標の同定が望まれる。脳の情報伝達をつかさどる神経の周期的活動(ニューラルオシレーション)のなかでも、とくにガンマオシレーション(30~100Hz)は、統合失調症の情報伝達異常や病態そのものに関連することがわかってきた。興奮性ニューロン(E)の異常(NMDA受容体の機能低下)と、神経回路内の律動リズムを作るGABA作動性の抑制性介在ニューロン(I)の障害ならびに、両者のバランス(E/Iバランス)が崩れることで、内発的な異常な神経活動が生じ、種々の精神症状や認知機能障害をきたすことが知られてきた。ガンマオシレーション異常は、統合失調症のみならず同疾患のモデル動物でも同様の結果が得られるため、統合失調症の新たな病態モデルや治療ターゲットとして支持されている。本稿では、統合失調症のガンマオシレーション異常とNMDA受容体機能低下モデル動物の知見を中心に紹介し、本指標の生物学的指標としての有用性や今後の展望について概観したいと思う。(著者抄録)